刘备の双股剣

劉備といえば、蜀漢の初代皇帝として知られ、その人徳と統率力は後世まで称えられてきました。そんな劉備が使用していた武器といえば「双股剣」が有名です。

双股剣とは

双股剣とは、その名の通り両端に刃が付いた二股に分かれた剣です。中国では古くから使用されており、その形状から「双両剣」や「両鋒剣」とも呼ばれていました。

双股剣は、敵を斬りつけるだけでなく、突き刺すこともでき、また重厚感のある作りから盾代わりにも使用できました。そのため、歩兵から騎兵まで幅広い兵科で使用されていました。

劉備の双股剣

劉備が使用していた双股剣は、「雌雄双股剣」と呼ばれていました。これは、二本の剣を組み合わせたもので、それぞれ「雌剣」と「雄剣」と呼ばれていました。

雌剣は、刃渡り約60cm、重さは約2.5kg。雄剣は、刃渡り約70cm、重さは約3kgと、どちらも長大で重厚な作りだったといわれています。

雌雄双股剣は、劉備の象徴的な武器として知られ、戦場での劉備を際立たせていたそうです。

双股剣の由来

劉備の双股剣の由来については、いくつかの説があります。

漢王朝御賜の剣説

この説では、双股剣は漢王朝から劉備に御賜されたもので、皇帝より厚い信頼を寄せられていたことを意味するといわれています。

兄との約束説

この説では、双股剣は劉備の兄である劉靖が死の際に劉備に託したもので、兄の遺志を継いで乱世を平定するという約束の象徴だったといわれています。

鍛冶屋の贈り物説

この説では、双股剣は劉備が桃源郷で出会った鍛冶屋に作ってもらったもので、鍛冶屋が劉備の人徳を慕い、そのために特別に作ったといわれています。

双股剣の逸話

劉備の双股剣には、次のような逸話が残されています。

三顧の礼で訪れた孔明に双股剣を見せた

劉備が三顧の礼で諸葛亮孔明を招いた際、孔明を試すために双股剣を見せたとされています。孔明は剣の鋭さを誉めつつ、あえて難点を指摘し、劉備の人徳に惚れ込み仕官を決意したといわれています。

桃園での誓いで関羽、張飛と兄弟の契りを結んだ

劉備、関羽、張飛が桃園で兄弟の契りを結んだ際、三人は双股剣を地面に突き刺し、その剣を囲んで誓いを立てたといわれています。

まとめ

劉備の双股剣「雌雄双股剣」は、単なる武器ではなく、劉備の人徳や決意の象徴として伝えられてきました。その形状や由来から、敵を切り裂くと共に、人々をつなぎとめる力を秘めた剣として、後世まで語り継がれていくことでしょう。